第6章 再起
「え、これ…!!」
驚いて影山くんの顔を見るも、彼は私と目を合わせようとしない。
影山くんが渡してきたのは、私が集めていたコンビニのキャンペーンのシール台紙だった。
その台紙には、既に景品がもらえるだけのシールがきちんと揃えて貼られている。
「な、なんで?!私、結局期間中に全部集められなかったのに…。」
つい先日、このキャンペーンは終了してしまっていた。
今は景品の引き換え期間だけが続いている状態だ。
出遅れた私は到底間に合わず、肩を落としていたのだけど…。
「お前が欲しいって、言ってたんだろ…。」
尚も私と視線を合わせないまま、影山くんは呟く。
この前の日向くんとの会話を聞いていたらしい。
「で、でも…こんなにたくさん…大変だったよね。貰っていいのかな…」
恐縮していると、またいつものように怒鳴られる。
「俺がこんなクマのマグカップもらってどうすんだボケ!!!」
確かにそうだ。
私のために集めてくれたんだろうから、ありがたく貰わなければ。
それにしても、あの短期間でここまで集めるには相当甘いもの漬けの日々だったんじゃないだろうか。
嬉しいのと同時に、私は影山くんのことが心配になってしまう。
そういう私の感情に気付いたのか、影山くんが言う。