第6章 再起
後日、例の番組が放送された。
どうせカットされて放送はされないものと思っていたけど、私達の分はしっかり全国ネットで流れてしまった。
しかも、やはり心配した通り面白おかしくネタにされていた。
練習風景などはまじめに映されていたけど、問題は…。
マネージャーをめぐり、繰り広げられる戦い的なものが全面的にフォーカスされていたことだった。
その番組を見たお母さんには、あんたってモテるのね…と驚かれるし、校内でも廊下を歩いているとチラチラ見られるようにまでなってしまった。
影山くんは、別に悪いことしてるわけじゃねえんだから堂々としてろ、と言うけど…なかなかそうもいかない。
視線から逃げ回るような日々が続いていた。
人の噂も七十五日。
そう言って慰めてくれたのは菅原先輩だった。
そんなにかかるのか…と重い気持ちになったけど、ひとつの目安はできたので良かったかなと思う。
それに、期末テストが終われば夏休みがやってくる。
その間にみんな、今回のことなど忘れてしまうことだろう。