第6章 再起
「あのマネージャーの子は、君の彼女なの?」
「ええ!?」
思わず、声が出る。
なにそれ、バレーと全然関係ない質問じゃないか。
まさか、さっきの一件を見て面白おかしくネタにして放映するつもりとかじゃないよね…?
「彼女……みたいなもんです。」
「ええ?!」
影山くんの返答に再び大きな声が出る。
インタビュアーの人はその答えに瞳を輝かせ、今度は私の方を向いて手招きをする。
嫌だったけど無視するわけにもいかないのでそちらへ、とぼとぼと向かう。
「君、さっきのスパイク練習のとき、ずっと彼のこと見てたもんね。うっとりしながらさ。」
「え、ええと…」
本当のことだから否定できないけど、本人が隣にいるのに言われてしまってすごく恥ずかしい。
自分でかっこいいと言うより何倍も恥ずかしかった。
「ね、彼のどんなところが好き?」
インタビュアーの人にそう問われて言葉に詰まる。
もう彼女じゃないなんて言えない展開になっている。
影山くんのどんなところが好きか…
バレーに一途で、一生懸命なところ。
天才だけど、それに甘んじることなく努力を怠らないところ。
不器用で、笑顔も上手に作れないけど、実はとても優しいところ。
「わ、私は…」