第6章 再起
もうすぐお昼休憩が終わるという段になって、武田先生が体育館にやってきた。
「みんな!ちょっと集まって!聞いて欲しいんだけど…」
先生から語られたのは意外な内容だった。
「「テレビ?!?!」」
西谷先輩と日向くんがキラキラと目を輝かせる。
全国ネット放送の人気テレビ番組が、今からここに撮影しに来るというのだ。
その番組は、全国の高校生の部活動の様子を追いかける人気のコーナーがあった。
素材としてなるべく多くの部活を撮影するらしいから、必ず放映されるとは限らないらしいけど、とりあえずその可能性はあるらしい。
しかも、ゲストリポーターとして誰か芸能人が来るそうだ。
夏のドラマの番宣か何かだろう。
あまり早くに知らせると混乱が起きるかもしれないということで、当日まで生徒にはこの件は伏せられていたようだ。
体育館の入口がざわつき、皆の視線が自然とそちらへ向く。
取材班が到着したようだ。
「うおー、カメラだ…!」
「翔陽!キメ顔作れ!あと、何か良い台詞考えとけ!!」
「は、はい!良い台詞、良い台詞…」
西谷先輩と日向くんが騒いでいる間も、私はぼーっと取材班の人たちの様子を眺めていた。
出来れば私はあんまり映りたくないなあ…
そう考えていたら、スタッフの人の後ろに見覚えのある顔を発見した。
え…?