第6章 再起
夕食の席が終わり、私はお母さんに片付けの手伝いを申し出たけれどやんわりと断られてしまった。
それを見た月島くんに手を引かれ、気が付くと私は月島くんの部屋に向かっていた。
月島くんの部屋はすっきりと片付いていて、とても彼らしい印象を受ける。
クッションを手渡され、適当に座って、と言われたので場所を見繕って腰を落ち着けた。
「お母さんの料理おいしいね。私、物凄いたくさん食べちゃったよ。」
「いつも食べてるから特別おいしいのかとか正直わかんないけど…気に入ったなら良かった。」
「うん!お母さんもお兄さんも良い人だね。…あ、お兄さんって名前なんて言うの?」
月島くんは少し俯けていた顔を上げて口を開いた。
「あきてる。明るいに光って書いて。」
「へー…明光さんか。」
「なんで、兄貴の名前なんか…。」
「ああ、いつも思ってたんだけど月島くんの名前って素敵だから。お兄さんはどんな名前なのかなって思っただけ。ご両親センス、いいよね。」
「僕の名前が…?」