第6章 再起
月島くんの家はとても良い家だった。
まず、庭にバスケットゴールがあることに驚いた。
私の昔からの勝手な思い込みだけど、バスケットゴールがある家というのはお金持ちのお家な気がする。
お家の中も広いし、とても綺麗で居心地が良かった。
そして、お母さんの料理。
いきなりお邪魔したにも関わらず、豪勢な料理の並ぶ食卓を見て私は感激した。
私のお母さんも料理は上手な方だと思うけど、月島くんのお母さんはそれ以上だった。
「とってもおいしいです…!将来こういう料理が作れるようになりたいな…」
お世辞でも何でもなく、本当に思ったことを口にすると、お母さんは嬉しそうに笑ってくれた。
「ありがとう。そう言ってくれると作り甲斐があるわ。料理なら、私がいくらでも教えてあげるわよ!蛍の大切な彼女なんだし。」
思わず咳き込んでしまった。
そういえば、否定するタイミングを逃してお兄さんもお母さんも誤解したままなのだった。
ごちそうにまでなってしまったのに本当のことを言わないのは騙しているような気がしたので、今更だけど否定しておこうと思った。