第6章 再起
「月島くんは外では甘いもの、あんまり食べないの?」
「まあね…だって男がショートケーキだのパフェだのなんて頼むことこそが恥ずかしいじゃん。注文の時が地獄なら、食べる時も地獄だよ。」
「そっかあ…男の人は気軽に頼めなくて大変だね…」
「その点、女子がいるといいよね。僕が頼んだと思われないし。」
月島くんはそう言って、私の使ったフォークを手にし、ケーキを口に運ぶ。
それを見て、私はまた恥ずかしくなってしまった。
結局、ケーキとパフェの両方とも二人で同じフォークとスプーンを使って分けあって食べた。
傍から見たら完全にカップルだったと思う。
充分に甘いものを堪能して満足した私たちは連れ立って店を出た。
甘いものを一緒に楽しめる男の人っていいなあと考えながら、私は一歩先を歩く月島くんの背中を追いかけた。