• テキストサイズ

【HQ】春が始まる。(烏野逆ハー)

第6章 再起




「ケーキとパフェって…。甘いもの好きでよく食べるとは聞いてたけど、さすがに食べすぎじゃない?」



そう月島くんがツッコんでくるけど、気にしない。



だって私一人で食べるつもりじゃないし。



でも、今それを言うと食べてもらえなくなりそうだから黙っておく。



「いいのいいの、これからライブで立ちっぱなしになるんだし!」



適当にごまかしてスイーツの到着を待った。



やがて運ばれてきたそれは、きらきら輝いていて、見るだけで私を幸せにする。



「ショートケーキってさ…なんでこんなに可愛いんだろうね…」



「は?」



私の呟きに、月島くんは意味がわからないというような表情を浮かべる。



「可愛いって…何それ。食べ物じゃん。」



「このイチゴの赤とクリームの白のコントラストっていうの?が素敵だよ…」



「…女子って何でもすぐに可愛いっていうよね…。」



呆れながら、月島くんはテーブルの隅からコーヒーに入れるシュガーとクリームを手にとった。



やっぱり入れるんだ!



それを見て私はつい、ニヤニヤしてしまう。



「………何。男のくせにブラックで飲まないのかって思ってるわけ?」



「そんなこと思わないよ!私だってブラックでなんか飲めないもん。むしろ、何か嬉しい。」



「嬉しい?」



「月島くんて何でも上手に、簡単そうにやるでしょ?私とは全然違うな、すごいなっていつも思ってるんだけど…そんな人とも共通点あるんだなって。」



そう伝えると、月島くんは私から視線を外してシュガーとクリームを入れたコーヒーをかき混ぜた。



「あ、そう…」



/ 767ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp