第6章 再起
体育館に繋がる廊下の扉を開けた時、目に飛び込んできたのは影山くんの姿だった。
休憩中だったのか、一人体育館の外へと出てきてドリンクのボトルをあおっている。
ボトルから口を離したところで、影山くんは正面の私に気付いた。
「影山くん……」
影山くんの、言うとおりだったよ。
私、首を突っ込みすぎて、結局ろくなことにならなかった。
影山くんの姿を見たら、何だか感情が爆発してしまって視界に涙の膜が張る。
「菜月…」
そんな私を見て、影山くんはこちらに駆け寄ってきてくれた。
「何、泣いてんだよ…」
「あのね…影山くんの言う通りだったんだよー…」
「あ?一体何の話してんだよ…」
困らせてごめんね。
でも大丈夫。
武田先生が、無駄なことなんてないって教えてくれたから。
この苦い気持ちも、これからの私が背負って次に生かしていけばそれでいいんだって。
影山くんに大丈夫だよと言おうとしたら、先に、ちょっと待ってろと声をかけられた。
そしてあっという間に目の前の影山くんは姿を消す。