第6章 再起
後に、影山くんの言葉は現実のものとなる。
段々と日差しがきつくなり、そろそろ体育の授業で水泳が行われる時期になってきた。
毎年、烏野ではプール開きを前に各クラスの当番がプール掃除をすることになっているらしい。
そんな面倒な役回りに、大地さんが当たってしまったらしいと聞きつけた私はすぐに例の友人に報告した。
そして、一緒に来てくれないかと頼まれたのでその子と共に掃除当番をすることになったのだ。
掃除なんて面倒だから出来ればやりたくなかったけど、友達のためだし仕方ない。
そう腹を括って放課後、プールへとやってきたのである。
プールで私に気付いた大地さんは笑顔で手を上げてくれた。
それを見た友人はとても嬉しそうに笑う。
「菜月ちゃん、いいなあ。いつも部活のとき一緒にいられるなんて。」
そう言って大地さんを見つめる瞳は、完全に恋する乙女のそれだった。