第6章 再起
「何驚いてんだよ…」
「なんか、影山くんがそんなこと言うなんて…と思って。」
「あ?!バカにしてんのかお前!」
「別にそんなこと言ってないじゃんー…」
確かに影山くんの言う通りかもしれない。
どうしても女の子は相手の好きなタイプに近付きたいと思ってしまうものかもしれないけど、いずれ付き合うようになったとすると次第にそれも限界が来るだろう。
それに、好きなタイプというのはあくまでタイプであって、それに近いからと言って必ず好きになるかと言われたらそう単純でもない気がする。
「恋愛って難しいもんだよねえ…。」
しみじみそう感じ、ため息とともに言葉を吐き出した。
「女子はそうやって人に頼んで聞いてもらったりとか、わざわざややこしくしてるような気がするけどな…。」
「今回は全く繋がりのない子だし仕方なかったんだって。」
「まあ、ほどほどにしとけよ。他人が首突っ込み過ぎるとろくなことにならねえぞ。」
「はーい。」
影山くんにそう諭されてから二人で部室に戻った。