第6章 再起
「ねえ、日向くんは?」
「え、ええ!いや、俺はそういうのは…」
日向くんにふったのは間違いだったかもしれない。
雑誌を見せただけで真っ赤になってショートしてしまった。
「俺はこれだ!」
西谷先輩が話に乗ってきてくれる。
こういうとき、本当にありがたい。
私は、後から部室に入ってきた影山くんにも聞いてみることにした。
日向くんにふったのは失敗だったかなと思ったけど、とりあえず多くの人に聞いて不自然でない空気を作らなければ。
「ねえ、影山くんは?」
「あ?」
「どの子が好き?」
「……興味ねえ。」
「え?」
「興味ねえっつってんだよ!」
予想の範囲内の回答ではあったけど、いきなり大きな声を出されて驚いてしまう。
それを見て、田中先輩が吹き出した。
「…何すか、田中さん…」
「いや、お前は菜月一筋だもんな。」
「なっ……!!」
田中先輩の言葉に影山くんと二人で赤くなっていると、とうとう目当ての人がやってきた。