第6章 再起
部活へ向かう道中、私は頭を悩ませていた。
何て聞いたらいいんだろ。
雑談の中でさり気なく聞き出せないだろうか。
そう考えていたら、後ろから呼び止められた。
「おーい、菜月ー!」
軽く手をふりながら走ってきて、私の隣に並んだのは菅原先輩だった。
「菅原先輩、あの…!」
「ん、どうした?」
菅原先輩に協力してもらえばうまく聞き出せそうな気がしていた。
そう思って早速切りだそうとしたところで、はたと気付く。
また私は調子よく先輩を利用しようとしているんじゃないだろうか……
そう考えると、そこから先の言葉が出てこなかった。
「あ、いや…何言うか忘れちゃいました。」
「……?」
私が頼まれたんだから、私が自分でなんとかしなければ。
「なあ、言いかけて途中でやめるなよ。ほら、言ってみ?ほんとは忘れてなんていないんだろ。」
「……なんか、先輩のこと頼ると申し訳なくて…。」
「俺が菜月のことを好きだから?」
「私が気持ちにまだ応えられていないから…です。」