第1章 出会い
菅原先輩の言うとおり、もう校舎は真っ暗でしんと静まり返っていた。
一人で戻って来ないで良かった。先生のお世話になるところだった…。
「わー、なんか肝試しみたいだな!」
「へ、変なこと言わないでください!」
私は本気で怖くなってきているけど、菅原先輩はなんだか楽しそうだ。
怖かったけれど、菅原先輩のおかげで何とか無事に教室までたどり着いた。
自分の席の机の中を探る。
「へー、ここが 菜月の席なんだ。 」
「はい、隣は日向くんなんですよ。」
「そうなんだ!……へー。日向がうらやましいなあ。」
「…え?」
「あ、えーとその、今のは…//」
「え?!え!?ない…!?」
「え?」
「なんで?!ここにあるはずなのに…」
机の中には定期は入っていなかった。
ここにあるはずとの確信があったため、焦ってしまう。