第6章 再起
「おいこら、今度はどこ行くつもりだよ。」
「ん、お手洗いに行こうかと…」
「俺も行く。」
「え、別に今度はさすがに迷わないから大丈夫だよ。」
「俺が便所に行きたいだけだ!!」
「そ、そう…じゃあ、行こうか。」
「女子トイレにまでついていかないようにね、王様。」
「うるせえ!」
結局影山くんは、部屋を出る間際まで月島くんにからかわれていた。
二人でお手洗いまでの道を歩いていると、やっぱり縁があるんだろうか。
もう帰るところの青城メンバーと出くわした。
「あれ、飛雄じゃーん。」
「及川さん…」
「菜月ちゃん、また会ったね。それじゃ、約束通りキスしようか。」
「ええ?!」
及川さんが言うと冗談に聞こえないから怖い。
動揺した私を影山くんが前に出てかばってくれる。
「及川さん…こいつにちょっかい出すのやめてもらえませんか。」
「えー、なんで飛雄にそんなこと言われなきゃなんないわけ?別にお前、彼氏じゃないんでしょ?」
及川さんにそう言われて影山くんは、ぐっと言葉に詰まる。