第4章 変化
「まだ終わったわけじゃないけどさ、高校生活今まで本当にあっという間だった。自分の現在地ちゃんと確認して踏みしめてないと、簡単に時間に流されてく。」
「………」
「だからさ、菜月が思う遠い未来ってやつも案外すぐのことなのかもしれないよ。」
同じ高校生のはずなのに、どうしてこうも思考に開きがあるんだろう。
これはきっと、歳の差だけの問題じゃない。
先輩は毎日、私が何も意識せず流してしまうようなことにだって気付いて考え、人生の糧にしているんだろう。
もっと先輩のように思慮深くなりたいな。
先輩の言葉を聞いて、高校生活の短さとありがたさについて考え、大事にしていかなければなと心から思った。
「ありがとうございます、何か私も色々考えちゃいました。」
「いや、俺今日語ってばっかで恥ずかしいやつだったよな。」
そういって恥ずかしそうに俯く菅原先輩を見て、私は微笑んだ。
「すごくありがたいお話でしたよ!」
「ならいいんだけど…。」