第4章 変化
私は先輩から視線を外し、机の上のカレンダーに目を向けた。
「もう、来週ですね。インターハイ予選。」
「ああ。」
組み合わせは先日決まったばかりで、烏野が入ったAブロックには伊達工業、青葉城西といった強豪がひしめいていた。
伊達工業は、旭さんが部活に来られなくなった原因である鉄壁のブロック力を誇るチームだそうだ。
そして、青葉城西にはあの及川さんがいる。
どちらも強敵であることに違いはなかった。
3年生にとっては、最後の大会になるのかもしれない今回の一戦一戦は、とても大事なものになる。
私は、菅原先輩に春高までは残るつもりはないのかと聞いてみたかったけれど、今それを聞くと目の前の試合から降りているような気がしたのでやめておいた。
インターハイ予選の話を広げようとしたところで、下から私達を呼ぶお母さんの声に気付く。
軽く返事をして、二人でダイニングへと向かった。