第4章 変化
遅めのお昼を終えて祖父母宅に戻り、また少し片付けをしてから私の家に戻ってきた。
祖父母とお母さんは菅原先輩に感謝しきりで、お礼を言われるたびに先輩は恐縮した様子を見せていた。
今はまた、強引に菅原先輩を引っ張ってきたお母さんが一緒に夕飯を食べるんだと言って張り切って支度をしている。
お昼以外はずっとうちの家族といて疲れただろうから、夕飯の支度の最中だけでも解放してあげたかったので二人で私の部屋に引っ込んだ。
「部屋入るの2度目だな。」
「そうですね。男の人部屋に上げたことなんてこの前まで1度もなかったのに。」
「あ、まじで?なんか嬉しいな。」
嬉しそうに笑って、先輩はこの前来た時と同じ位置に腰を下ろした。
「荷解きも疲れたでしょうけど…ずっとうちの家族と一緒で気を遣って疲れましたよね。」
「いや、別に本当にそんなことないよ。おじいちゃんたちも良い人だったし!…それにさ。」
「?」
「俺、平凡だけど『自分の家族を作る』ってことに憧れてるから、なんか色々想像しちゃったよ。」
「自分の家族を作る…」
「ほら、今は自分が生まれた家族の中にいるだろ。でも結婚したらその先は、自分が作った家族。」
菅原先輩は天井を見ながら続けた。