第4章 変化
そう思ったのはやはり間違いではなく、その後、新居で菅原先輩に出会った祖父母もすっかり先輩を気に入ってしまったようだった。
「今時の若い子でも、こんなに真面目で良い子がいるんだねえ。」
「本当だな。菜月は男を見る目があるみたいで、おじいちゃんは嬉しいよ。」
二人の言葉に恥ずかしくなったけど、もう告白もされていることだし菅原先輩に失礼というわけでもないだろうから、わざわざ否定はしなかった。
引越業者の作業は本当にあっという間で、トラックが到着し、荷物の運びこみが始まったと思ったらそう時間はたたないうちに作業は終了していた。
そこから祖父母の指示の下、荷解きをすること数時間。
前の家にいる間にだいぶ荷物を減らしてきたらしい祖父母の部屋は、ようやく見られたものになってきた。
気がつけば、もうお昼の時間をとっくに過ぎていた。
うちの家族だけなら、まだ完全に片付いたとは言えない部屋でも適当に食事できただろうけど、先輩もいるのだからさすがにそうはいかない。
お腹も減ってきたので、私はお母さんにお昼代をもらって菅原先輩と近くに食事に出ることにした。
「なんか、引越しって慌ただしいですね…業者の人、運動会でもしてるみたいでした。」
「そうだな。荷物の運びこみ、本当にあっという間だったな。」
先輩は荷解きの間も、とてもよく気を利かせてくれて、祖父母に声掛けをしながら効率よく作業を進めてくれた。
私のほうがよっぽど役に立っていなかったくらいだ。
改めて、先輩を尊敬してしまう。