第4章 変化
その週も無事に学校と部活を終え、とうとう菅原先輩と約束をした日曜日がやってきた。
家の場所は知っているのだからと先輩は遠慮したけど、私が強引に押し切って最寄り駅まで迎えに行くことにした。
手伝いに来てもらう側なのだから、せめてそれくらいはしたい。
改札で待ち合わせた先輩とは、すぐに合流できた。
菅原先輩のほうが早く到着していたのだ。
「おはようございます!ごめんなさい、待ちました?」
「おはよ!いや、俺も今来たとこ。ていうか、まだ待ち合わせ時間の10分前だし。」
お互いに時間には正確でありたいたちらしく、二人とも待ち合わせ時間より早めの到着だった。
「ほんとに今日はありがとうございます…色々こき使っちゃったらすみません。」
「いいんだよ、そのために来たんだし。お父さんいないなら大変だよな。」
「ほんとに…なんでこんな日に仕事になっちゃうんだか。」
「でも、そのおかげで俺は休みの日にも菜月に会えたよ。」
直球を食らって、言葉に詰まる。
この前、月島くんも言っていたけど菅原先輩は結構ど真ん中ストレートを放ってくるので心臓に悪い。
私の様子を見て、微笑んだ先輩は、行くぞーと言って少し先を歩き出す。
まるで今から菅原先輩の家へ行くみたいだ。
前を行く先輩からは、今から会ううちの家族への緊張感とかそういうものがあまり伝わってこない。
この前もお母さんとうまくやりとりしてくれていたし、菅原先輩は将来結婚しても義理の家族ととても上手に付き合えそうだ。