第4章 変化
大地さんの言葉に、思わずドキッとする。
「大地さんってすごく頼もしいですよね…良いパパになりそう。」
感情のおもむくままにそう伝えれば、大地さんは、少しはにかんだ。
「…まあ、父親になるには相手が必要だけどな。」
大地さんの視線がこちらに注がれる。
「……え?」
「菜月は、そそっかしい母親になりそうだな。」
「ええー!そのとおりだと思うけどひどいです…!」
私が不服そうな表情をしたのを見てから、大地さんは付け加えた。
「…だからさ、そういうのを補えるような頼もしいやつを旦那にしろよってこと!」
「え…」
「じゃあ俺、戻るわ。編集はよろしくな!」
そう言って大地さんはコートに戻っていった。
今のって……。
深く考える前に、頭をふって思考をストップした。
今は早くこの仕事を片付けよう。
私はビデオカメラを持ってPC教室へ向かうため、体育館を出た。