第4章 変化
「“愛”とか“恋”とか“好き”って一体なんなんだろうね…」
「なに、いきなりどうしたの菜月。」
体育倉庫の事件の翌日、私は教室で友達に話を聞いてもらっていた。
「いや…好きって気持ちがハッキリこれだってのが分かれば楽なのになあって思って。」
「青春だねえ、若いねえ。」
「同い年じゃん…」
「好きってのはさ、ほら、やっぱ一緒にいたいーとか、笑顔が見たいーとかじゃないの?」
「それもそうだけど、もっと大事なことがあるでしょ!」
一人の友人の発言に、もう一人の友人が付け加える。
「相手に触りたい、触ってほしい、抱いてほしいって思うこと!」
その発言に私は軽くショートする。
「きょ、教室でなんてことを…」
「だってさあー、人間だって所詮動物なんだよ?そういうことって本能的なもんじゃん。触られたくない相手となんて付き合えないって。」
友人の言葉に、私は先日のストーカー事件のことを思い出す。
触られた時に感じた、あの生理的な嫌悪感が蘇って思わず身震いした。
「だからさあ、そういうの想像してみたらいいんじゃない?」
「や、やだよ恥ずかしい…」
「セックスできるかできないか!これに尽きると思うね私は。」
「したこともない子がよく言うわ!」