第4章 変化
「月島くん…?」
倉庫内に一人で踏み入ってきた月島くんは、影山くんに掴みかかる。
「影山、何やってんだよ…!」
「………。」
何も答えない影山くんにしびれを切らし、月島くんは乱暴に影山くんを離した。
その直後、マットの上で体を起こした私の手を引く。
「行くよ。」
「え、月島くん…」
「いいから。」
月島くんにぐいぐい引っ張られ、昼休みに月島くんのファンの子に呼び出された校舎裏まで来たところで、突然彼は振り返った。
そして、ふわりと包み込まれる。
「影山に、何もされてないよね…?」
「う、うん……」
影山くんの腕から逃れたと思ったら、今度は月島くんに抱きしめられている。
混乱して、どうすべきかが全く頭に浮かんでこず、そのまま月島くんに抱きすくめられる。
「菜月と僕の噂が立ってるんだってね。」
「みたいだ、ね…。」
「いつもまとわりついてくる女子が、今日なんか様子がおかしくて。問い詰めたんだ。そしたら、菜月と影山を倉庫に閉じ込めたって聞いて…」
月島くんは、私を抱きしめる腕に力を込めた。
「いてもたってもいられなかった。間に合って、良かった…」