第4章 変化
嫌な予感がしていた。
もしかして、あの子…。
「おい、何か心当たりあんのか?」
影山くんに聞かれ、私は今朝からの一連の出来事を話す。
月島くんと私の噂が立っていること。
その噂を聞いて快く思わない女子に呼び出され、牽制されたこと。
その女子は、私を月島くんから引き離すために影山くんとくっつけたがっているということ。
「んだよ、それ…」
話を聞いて、影山くんは呆然としていた。
「なんかごめんね、巻き込んじゃって。まさかずっとこのままってことはあり得ないだろうからそのうち開けてくれるでしょ。」
「………お前、携帯は?」
影山くんに言われてハッとした。
すぐにポケットに手をやるも、そこは空だった。
「そうだ…ここに来る前にカバンに入れて先に部室に置いて来ちゃったんだった…」
「そうか…」
影山くんも荷物に関しては同じだったらしく、連絡手段もない私達はただただ助けだされるのを待つ身となってしまった。
「とりあえず…座ろっか?」
いつまでこの状態かも分からないため、私は積まれたマットの上に腰を落ち着けた。
影山くんも隣に腰をおろす。
その後は、他愛もない話をしながら時間を潰した。
とっくに部活が始まる時間を過ぎ、気が付けば倉庫に閉じ込められてから一時間以上が経過していた。