第4章 変化
その日の放課後、部活に向かおうとしていたら、クラスメイトの男子に呼び止められた。
「おい水沢。」
「ん?」
「3組の影山?ってやつが第一体育館の倉庫で待ってるってよ。」
「え?なにそれ。」
「知らね。俺も今伝えてくれって頼まれただけだから。じゃあな!」
詳しく聞く前にクラスメイトは急いで部活へと向かってしまった。
これから部活で顔を合わせるのに、なんでそんなところで…。
影山くんがこんなまだるっこしいことをする意味が考えても分からなかったけど、とりあえず聞いたからには行くしかない。
今日は第一体育館での部活はすべてお休みらしく、体育館内は静まっていた。
男子バレー部は、主に第二体育館での活動なので何だか新鮮な気持ちで体育館内に踏み入る。
倉庫の扉は開け放たれていて、私はその中に影山くんの姿を見つけた。
私に気付いた影山くんは、組んでいた腕をといて口を開く。
「…菜月。なんだよ、話って。」
「え?」
「お前が呼び出したんだろ?これから部活で会うのに何の話だよ。」
先ほど私が思っていた通りの言葉を逆に影山くんからかけられて混乱する。
「い、いや、私は影山くんが呼んでるって言うから来たんだけど…」
「は?」
二人で混乱していると、背後で大きな音がした。
次の瞬間、倉庫の扉は完全に閉まっていた。
鍵を閉め、走り去る足音が聞こえる。
「え?なに…」
影山くんが扉に駆け寄り、開けようと試みるも、やはり鍵がきちんと閉められていた。
扉が閉められたことによって光が遮られ、倉庫内は薄暗くなる。
「何だよこれ…どういうことだ。」