第4章 変化
その言葉は正しかった。
昼休み、私は3組の顔しか知らなかった女子に呼び出され、校舎裏にいた。
殴られたりするんだろうか…
心の中ではいつでも戦えるように臨戦態勢を整える。
でも、見た目の通り女子らしい雰囲気の話し方で、その子は口を開いた。
「突然、ごめんね。今、水沢さんと月島くんが噂になってるのって知ってるよね?」
「う、うん。今朝知った…」
「私、月島くんが好きだから水沢さんのこと、よく見てたんだけど水沢さんって…」
次に彼女の口から出た言葉は私を大いに驚かせた。
「うちのクラスの影山くんと付き合ってるんじゃないの?」
「ええ!!!ち、違うよ!」
顔の前で、ぶんぶん手をふる。
「そうなんだ…でもさ、少なくとも影山くんは水沢さんのこと好きだよね。水沢さんといる時の影山くん、いつもと全然違うからすぐ分かる。」
この子も月島くんと同じことを言うんだな…
私は影山くんが私の知らないところで部員以外の人にどんな態度をとっているのかなんて知る由もないから、その違いがさほどわからない。
「水沢さんがもし月島くんを好きじゃないなら私、影山くんのこと応援してもいいかな?」
「へ?」