第4章 変化
どこかから視線を感じる嫌な感覚も無くなり、私の学校生活は無事、平穏を取り戻した……かに見えた。
次の日、朝練を終えて教室に向かうと、友人たちが血相を変えて私の元にやってきた。
「ねえ菜月!なんかすごい噂になってるよ?!」
「え、何が?」
「4組の月島くんと付き合い始めたって本当!?」
「……えええ?!なにそれ!」
どうやら、この前の昼休みに二人で歩いているところや、教室前まで送ってもらったことが原因らしい。
しかも、私達は同じ部活なので余計だろう。
「いや、別に月島くんとはそんな関係じゃ…」
「そうなんだ…?でも、月島くんのファンの子達めっちゃ騒いでるよ。どうにかしたほうがいいんじゃないかな…」
こういうことがあると、やはり月島くんのあからさまな女子人気の高さが窺える。
こういったら何だけど、同じ一年なら影山くんとのほうがよっぽど連れ立って歩いたりしているのにそういう大きな噂に発展したことはない。
おそらく、影山くんはその人柄的に大っぴらにキャーキャー言う女子ではなく、隠れファンになろうとする女子に人気があるんだろう。
これは、しばらく4組の付近を通りづらくなるな…なんて考えていたら、友達が驚いたように声を上げた。