第4章 変化
私と月島くんの話が一段落するのを待ってから、影山くんが私に声をかけてくる。
「菜月、その…」
「ん?」
「さっきの話って…本当なのか?」
「さっきの話?」
「だっ、だから…!」
「え、何。まさか王様さっきの菅原さんの言葉信じたの?」
『菜月の彼氏は俺だ。』
菅原先輩が事実のように言い放ったその一言を、相手チームのみならず影山くんまで鵜呑みにしてしまったらしい。
「ほんと単細胞ってどうしようもないね…あんなのその場しのぎの嘘に決まってるじゃん。」
「そうなのか?!」
「あいつがなんでだか知らないけど、菅原さんのことを彼氏と勘違いしてたから、気を利かせて便乗してやったんでしょ。」
私が説明する前に、月島くんが影山くんにそう話してくれた。
単細胞と言われたことも聞き流して、影山くんはあからさまにほっとしたような様子を見せる。
それを見て、私は恥ずかしくなった。
「それはどうかな。」
後ろから響いた声に三人で振り返った。
私達の会話に入ってきたのは菅原先輩だった。
突然のことに、少し驚く。
「なんでそう思うんだよ月島?」
「え…だって状況的にどう考えてもそれしか。」
「俺は菜月の彼氏だよ。な?菜月。」