第4章 変化
「また何かあったらすぐに俺に言えよ。次はまじで容赦しねえ。」
「あ、ありがとね影山くん。」
「次があるようならほんと、生粋のバカだよね…。まあ、ストーカーなんてするやつだから当たり前か。」
「うん…やっぱり月島くんの言う通り結構前から見られてたみたいだね。気持ち悪い…」
彼は、私が西谷先輩とゲーセンに行ったことも知っていた。
その時は見られていることなんて知る由もなく、全く気付いていなかったのだからそれ以前に関してのことも分からない。
「菜月はさ、人前にいる時もう少しスイッチをオンにし続ける癖をつけなよ。」
月島くんの言葉に、妙に納得する。
そうだ、私、結構外でスイッチ切れてるんだ…。
自分でも気付かないうちにスイッチが切れて、人の話を全く聞いていなかったり、見るべきものを見ていなかったりすることが多々あるのは私の悪い癖だった。
月島くんは人のことをよく見てるなあ。
そう思いながら、月島くんを見つめる。
「うん、反省…。気を付ける。」
「素直だから返事だけはいいよね。…まあそういうところ、嫌いじゃないけど。」
気をつけなよね。
そう言って、月島くんは私から視線をそらす。
素直じゃない月島くんから「嫌いじゃない」を頂けるなんて、私からしたら及第点だ。
何だか嬉しくなってしまう。