第4章 変化
そう叫ぶように言い返そうとしたところで、菅原先輩が私と彼の間に割って入った。
私の手首にかかった彼の手を掴んで私から引き離したあと、先輩は口を開いた。
「君の俺に対する言葉は正しいと思う。確かに俺は控えだよ。周りから見たらかっこ悪いかもしれない。でも…」
菅原先輩は、一呼吸おいてから一息に言う。
「菜月の彼氏は俺だ。彼女が怖がってる相手に黙ってなんていられない。」
「っ……」
「おいお前!」
言葉に詰まる彼を見て、西谷先輩が更に追い打ちをかける。
「さっき俺のことをチビだとか言ったようだが… 男にとって重要なのは身の丈なんかじゃねえ。」
「そんなの、負け惜しみだろ。」
「うるせえ!一番大事なのは度量だ!大切なやつを守って包み込める器のでかさだろ。それがお前にはあんのか?!
嫌がってるやつを追い掛け回して困らせて、自分のことばかり考えてるじゃねえか。
そんなやつにはなあ!女を好きになる資格はない!!! 」
西谷先輩の声が体育館に響き渡る。
彼は、完全にひるんだようだ。
けれど、それでも許さない様子の他の部員が彼に迫る。