第4章 変化
「先輩のこと、そんな風に言うなら許さない!!!」
「なんで…?俺なら身長もそこそこあるし、自分で言うのも何だけど顔も悪くないと思う。1年でレギュラーだって取ってるよ。」
頭がくらくらした。
言葉が伝わらない相手を前に、私は自分の血が沸騰するのを感じた。
誰かにこんなに頭にくるのは久しぶりのことだった。
「彼氏だから、あんなかっこ悪い奴のことかばうわけ?」
その言葉でプツンと何かが切れた。
菅原先輩は、彼氏じゃない。
まだ気持ちに応えられてすらいない私を守ろうとしてくれただけだ。
先輩は、かっこ悪くなんかない。
「ねえ、あんなやつやめて俺と付き合ってよ。あいつに君はもったいない。」
そう言って手首を掴まれた。
生理的な嫌悪感が全身を駆け巡る。
「いやっ…」
誰が、あんたなんかと。
これ以上私のせいで先輩が貶められるのが我慢ならなくて、私はつい本当のことを口走る。
「菅原先輩は、彼氏じゃ…」