第4章 変化
「水沢さんさ、彼氏がいるのにどうして色んな他の男と帰ったり出かけたりしてるの?」
「なにそれ…」
「俺、いつも見てるから知ってるよ。」
その言葉に、私は戦慄した。
「あの女みたいな身長のチビのリベロとはゲーセンに行ってたよね。」
そう言って、西谷先輩を指さす。
「あの目付き悪い悪人面のセッターとは一緒に帰ったり、ドーナツ屋に行ったり。」
次は影山くんを指さす。
「昼飯買うときにたまたま見掛けたら、あの眼鏡ノッポとは昼休みに逢引してるし。」
次に、月島くん。
「あの3年のくせに試合出られない可哀想な控えセッターの人が彼氏なんじゃないの?」
最後に、菅原先輩。
「俺、水沢さんがバレー部のマネージャーになったって聞いて、また話せるかもって思って高校ではバレー部入ったんだよ。なのに…これってどういうこと?」
体育館内の温度が急激に下がったような気がした。
対して、私の中の熱は、彼の言葉によって急速に温度を上げ、私の頭の働きを妨げた。
田中先輩が彼の言葉を聞いて、いつものように因縁をつけようとこちらにやってくる気配があったけれど、私の行動のほうが早かった。
影山くんじゃないけど、頭に血が上った。
気が付けば、私に頬を張られ、呆然とする彼が目の前にいた。