第4章 変化
結局、頭のたらない私は、状況をありのまま説明することしかできないという結論に達した。
いつものように一緒に辿る帰り道で、私は菅原先輩に昨日お母さんから聞いた話を伝えた。
「何だかお母さんが菅原先輩のこと物凄く気に入ってて…話だけでもしてみてくれないかってうるさくて。」
告白されたあとなので、何だか菅原先輩を利用しているみたいで気が進まなかったけれど、お母さんと約束してしまったので仕方ない。
とりあえず話をするだけ。
そこまでが私の任務だ。
私の話を聞いた菅原先輩は、最初こそ驚いたものの、すぐにこちらに笑顔を向けてくれた。
「まじか!行く行く。手伝いに行くべ。」
「ええ!?む、無理しないでください!うちのお母さんが無茶言ってるだけなんで…」
「そんなにお母さんに気に入ってもらえたなんて何か嬉しくてさ。俺にできることなら何でもするよ。」
予定があるとか適当なことを言って断ってくれて良かったのに。
「あ、ありがとうございます…。」
「気にすんなって。俺が菜月と居たいっていう下心もありありなんだからさ。」
「え…」
先輩の言葉に、恥ずかしさがこみ上げてくる。
「まあ、そういうことだから気にするなよ。むしろ俺、日曜楽しみになった。」
私に気を遣わせないようにそう言ってくれてるのかな。
ありがたいな。