第4章 変化
褒め言葉は好きなやつだけに言え。
俺のことは、いくらでも褒めていいから他のやつは褒めるな。
それって……
俺のことを好きになれってこと…?
そう考えた途端に頬が熱くなる。
私が赤くなったことに気付いたのか、影山くんはまた背を向けてどんどん先を行ってしまう。
「あっ…ちょ、ちょっと待ってよ…」
「いい男になってやる。」
「え?」
「お前が他のやつに見向きもできないくらいのいい男に俺がなってやるっつってんだよ!!だからよそ見すんな、俺だけ見とけ!」
背を向けたまま言われたから、影山くんがどんな表情をしてるのかは分からない。
でも、またきっと赤くなってるんじゃないかな。
私もすごく恥ずかしかったけど、
私は影山くんのこういう気持ちの伝え方が結構好きだったりする。
素直じゃないけど、彼なりにどうしたら伝わるのかと必死に考えて探した言葉。
最初は意図が分からなくても、理解できた時にじんわりしみてくる。
月島くんの言うとおり、嫉妬だったんだ…