第1章 出会い
集合の掛け声で大地さんの周りに集まった部員の中で、昨日は練習に参加していなかった人を見つけた。
大きい…先輩かな?
「えー、昨日から新学期が始まって新しく1年も入ってきた!まず今朝から参加するやつらを紹介する。月島と山口だ。」
大地さんの説明の後、二人が前に出て挨拶をした。
さっき先輩かと思った背の高い眼鏡の人も同じ学年ということになる。
「それから、新しい1年マネージャーとして 水沢さんも正式入部することになった。1年は 皆、分からないことだらけだろうから2、3年でフォローしていくように。頼んだぞ!」
「「「「はい!」」」」」
「それじゃあ練習開始!」
その声を合図に、皆2列に並んで走り始める。
とりあえず邪魔にならないように端に移動しようと、開いたままの入口の近くに向かう。
すると、その入口から今まさに入ってこようとする美人と目があった。
「あ…もしかして」
「おはよう。あなたがマネージャー希望の1年生?」
「はい、おはようございます! 水沢菜月 です。よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしく。私は3年の清水潔子。マネージャー、募集してたから嬉しい。」
にこりと涼やかな笑顔。
こんな人がマネージャーなら、さぞ皆もやる気が出るだろうなあと思う。
見た目だけでなく、所作も美しい。
女子でも見とれてしまうくらいだ。
「先生に用事を頼まれてたから、遅れてごめんね。仕事内容とかこれから詳しく教えるから。」
「はい!」