第4章 変化
聞きたくなかった事実だった。
そうこうしているうちに、悪魔の使徒Gは素早く動いて床に降りてきた。
私達が存在に気付き、話している間はこちらの様子を窺うように動かなかったのに。
やつらに遭遇する度に私は、そういう知恵があるかのような行動に恐怖する。
西谷先輩が何回かスプレーを噴射したところで、Gはその動きを止めた。
思わず、大きなため息をつく。
「よし、任務完了!」
「西谷先輩が居てくれて良かったです…」
「ふふん。またヒーローと呼んでくれてもいいんだぜ?」
明らかに期待した様子の西谷先輩に、私は笑ってしまう。
「ありがとうございます、ヒーロー!」
「おうよ!」
私の言葉を聞いた西谷先輩は満足そうに笑った。
「んじゃ、これ片付けっか。」
西谷先輩が再びGに視線を向けたその時、動かなくなったと思っていたやつが、少し動いた。
それに動揺した私は、背中から棚にぶつかる。
結構強くぶつかってしまったため、棚の上に乗っていた荷物が落ちてきた。
「うわ…!」
「菜月!」