第4章 変化
三角形、三角形…
脇の溝に吸い込まれてばかりいたボールが、今度はレーンの真ん中を滑っていく。
ヘッドピンに当たって何本か倒れた。
「わー!やったー!!」
「おっしゃあ!」
スペアでもストライクでもないのに、西谷先輩とハイタッチする。
「西谷先輩の言うとおりにしたらできましたー!!」
そう喜んでいると、西谷先輩は頬を少し赤らめて言う。
「お前ってさ…そういう素直なとこ、いいよな。」
「え?」
「ほら、もう一投、いってこい!後は足りねえのは勢いだ。思いっきり、ドカーンだぞ!」
「はい!」
西谷先輩に頭をがしがし撫でられて促された。
私は、また、三角形目指してボールを投げた。