第4章 変化
そう言って西谷先輩に連れてこられたのはボーリング場も併設されている大きなゲームセンターだった。
「まず手始めにボーリングだ!」
「に、西谷先輩…嬉しいんですけど、テスト勉強大丈夫ですか…?」
「う…。こ、細かいこと気にすんなって言ったろ!悩みを作らないコツは、その時楽しいと思うことをすることだ!楽しければ、嫌なことなんて思い出さねえだろ。」
私のことを気遣ってくれているのが嬉しかった。
だから、私ももうごちゃごちゃ考えるのはやめて、西谷先輩と思い切り楽しむことに決めた。
「ボーリングとか久しぶりです。よし、やるぞー!」
「おお、いいぞいいぞ!その調子だ!全力で楽しめ!」
西谷先輩といると、心の底から元気が湧き出てくる気がする。
背丈は私とあまり変わらないのに、考え方や行動がとても男らしいから、黙って着いて行きたくなってしまうのだ。
「ローリングサンダー!!」
「うわああー連続ストライク!すごいー!!」
「ふふ…見たか、俺の実力を。」
「ほんとすごいです。私なんか全然なのに…!」
「お前、ピンだけ見て投げてるだろ?」
「え?」
西谷先輩は、レーンの手前にある三角形の印を指差した。
「あれ狙ってガコーンと投げてみろ!直接ピン見て投げるより安定するはずたぞ!」
先輩に言われたとおり、そこを目指して放ってみる。