第4章 変化
その後も、ゲームセンター内のスポーツ系のゲームやカーレースゲームなどで遊んだ。
西谷先輩はどれも器用にこなし、すべてのゲームで勝つことはできなかった。
それでも、体を動かして思いきり騒いだことで、私はかなりすっきりした気持ちになっていた。
「あー、楽しかったー!!」
ほぼ遊びつくして、そろそろ帰ろうかとなったところで、私はUFOキャッチャー内に好みのものを発見した。
思わず凝視してしまう。
それは、大きな柴犬のぬいぐるみだった。
首元に風呂敷包み、前足をちょこんと揃えてお座りした形のその子が、私を呼んでいる。
「ん?あれ、ほしいのか?」
私の視線に気付いたのか、西谷先輩が柴犬の入っているUFOキャッチャーに近付く。
正面と、左右から柴犬の位置を確認している。
「すごい可愛いなと思ったんですけど…これ、大きいし難しいですよね。」
そう言って、帰りましょうと促そうとしたら、西谷先輩は既にお金を入れてアームを操作し始めていた。