第4章 変化
菅原先輩の唇は、何度も何度も私の唇を覆って離さなかった。
離れそうになると、また柔らかい感触がして包み込まれる。
いつも穏やかな菅原先輩の内に秘めた熱いものを感じて、胸の奥がきゅんと狭くなった。
好きだよ。
その気持ちが唇を通して私の中に流れ込んでくる。
頭がくらくらして体の力が抜け、足が体を支えるのが難しくなってきた。
壁に身を預けつつも少しずつ崩れ落ちていく私に気付いたのか、先輩は私の腰を抱いて支えてくれた。
体に力が入らない。
それでも尚、私は解放されなかった。
先輩に抱きしめられたまま誘導されて、今度はベッドにゆっくり押し倒される。
一旦唇が離れた。
けれど、またすぐに先輩によって私の半開きの口は塞がれてしまう。
行動の一つ一つに性急さがないことから菅原先輩が冷静であることを感じ、だからこそ逆にこのまま行くところまで行ってしまうのでは、という気がした。
無我夢中ならともかく、冷静な菅原先輩が力の入らなくなった自分に尚もキスしてくるなんて。
いつもの先輩なら、気付いた時点でやめてくれそうなものなのに。
今日は我慢、しないからな。
キスの前にかけられた言葉を思い出し、私の体は更に熱を帯びた。