第4章 変化
放課後、私は部活もないので図書室でテスト勉強をしていた。
数学の問題に手を焼いていると、私の隣の椅子が引かれたので、そちらに視線を向けた。
そこには私に、にこりと笑いかけ、腰を下ろす菅原先輩の姿があった。
「あ…菅原先輩。」
「俺もテスト勉強。隣いい?」
って、もう座っちゃってるけど。
そう小声で言ったあと、先輩も自分の勉強道具を広げた。
図書室であまり喋るのは憚られたので、その後はそれぞれ勉強に集中した。
結局、図書室が閉まる時間までぎりぎりいっぱい粘った。
「あーっ…よく勉強したー…」
図書室から出たあと、菅原先輩は思いっきり伸びをしてそう言った。
「ほんとですね…疲れました。」
「なー。あ、あれからまた分かんないとことか、出てきた?」
「あー、いくつか出ちゃいました。」
「お、じゃあまた菅原先生の出番かな。」
そう言って、先輩は笑う。
「でも、今は菅原先輩も自分のテスト勉強があるし!大丈夫ですよ。自分でなんとかします。」
「そういう寂しいこと言うなよー。頼ってほしいんだって。」
「そ、そうですか…?じゃあ…」
先輩の言葉に甘えて、その後、私の教室で少し勉強をみてもらった。
そして、部活がある時と同じように2人で下校することになった。