第4章 変化
「俺…最近お前に触れたくて仕方ねえんだ。」
「えっ…」
一瞬聞き間違いかと思った。
でも、外灯に照らされた影山くんの俯いた顔が真っ赤になっていたことから間違いではないと知る。
私まで顔が赤くなっていくのを感じた。
「だから、簡単にお前に触れたやつに頭にきたんだ。だからといってお前にその感情ぶつけていいわけじゃねえのにな。」
影山くんからの突然の爆弾発言に、私はすっかり動揺していた。
どうしよう、こういうとき、どうしたらいいんだろう。
「…なあ菜月。」
「う、うん。」
「俺、こういう気持ちとか初めてだから…まだ自分でもよく分かってねえんだ。だから…」
影山くんが、ふいに立ち止まった。
つられて私も足を止める。
真正面から見つめられた。
「きちんと伝えられる日まで、待っててほしい。」