第4章 変化
「あの日、体育館で音駒のやつがお前にちょっかい出してただろ。」
「ああ、黒尾さん…あれはあの人がちょっとふざけただけだよ。」
「そうだとしても、ああそうですか。で、終わらせられなかった。お前、あの日初対面のはずなのに随分仲良くなってたじゃねえか。」
初対面の黒尾さんに心を許していたのは事実なので、特に否定もできなかった。
「なんかすげえいらついて…気付いたらお前を引っ張って連れ出してた。それで、その…」
「………」
「カッとなってやった。」
どこかの殺人犯の供述のような台詞に、私は言葉をなくした。
なにそれ。
私が気を悪くしたのが空気で伝わったのか、影山くんは更に続ける。
「こんなこと言ったら引かれるかもしれねえけど……」
「?」
影山くんは今までの言葉の中で一番言いにくそうに、重い口を開いた。