第4章 変化
「ああ、おいしいー…!」
「ほんとにうまそうに食うよな…。」
「だってお腹減ってたし。」
運動公園からほど近い牛丼店のテーブル席。
私と影山くんは顔を突き合わせて食事している。
カウンターだと人の出入りが激しく、流石に落ち着かないので、テーブル席にしてもらった。
先に食べ終わった影山くんが頬杖をついてこちらを見ている。
視線に気付いて箸を止め、顔を上げると、影山くんは優しい眼差しを私に向けていた。
影山くんのこんな表情、初めて見たかもしれない。
ドギマギしてしまう。
「え、ど、どうかした…?」
「いや、まじでうまそうに食うからつい…。そんだけうまそうに食われりゃ肉も本望だろうな。」
「へへ。」
食事中は、今日のイベントの話で結構盛り上がった。
影山くんのプレーヤーならではの視点で見た今日のプレーについての感想などは、とても勉強になった。
バレーの試合をテレビでたくさん見てきたとはいえ、やはりまだまだ知らないこともたくさんあるんだなあと思う。