第4章 変化
「俺が…」
「え?」
「俺が全日本の正セッターになって招待してやるから、それまで待ってろ。」
真剣な表情でこちらを見据えた影山くんは一息にそう言った。
私は、影山くんの雰囲気にのまれ、言葉をなくした。
やっぱり影山くんは自分の将来に明確なビジョンがあるんだ。
日本代表になって、世界と戦う自分が今からきちんと想像できている。
そう思わせるほど、彼は真剣だった。
ただの片田舎の高校生が思い付きで夢を語ったようなくらいのものでは、到底なかった。
私はこの時、影山くんのことを深く尊敬すると同時に、同じくらいの隔たりも感じてしまった。
同じ年で、同じような環境で育ったのに私とは全然違うな。
すごいな、影山くん…
影山くんなら、今の言葉を現実にしてくれる気がする。
私にも、世界と戦う影山くんの姿が見える。
私の答えは決まっていた。
「ありがとう、待ってる。」