第4章 変化

「あのね、ミーハーなファンほど怖いものはないよ。下手したら危害加えられるかもしれないんだから余計なことは言わないに限るよ。」



「そ、そうなのか…」



やけに素直に影山くんは聞き入れた。



「でもお前も好きなんじゃないのか？その…王子。」



影山くんの質問に、私はまた耳打ちで返答する。



「別に。」



「なんで今の質問の答えまで耳打ちにするんだよ。」



「ファンの心理ってのは難しいもんなんだよ。ライバルが増えるのを嫌がる人もいれば、興味ない人がいるってことを認められない人もいるんだって。」



「ライバルって…ばかばかしい。どうあがいたってお前らのもんになるわけじゃねえだろうに。」



また大きな声で言い放つ。
この人は、私の話を全然理解していなかった。



周りの女性の視線が痛くて、私は影山くんを強引に引っ張って一旦人の波を外れた。