第4章 変化
会場である市の運動公園へは歩いて向かった。
まだだいぶ時間があったのと、気持よく晴れていて何だか歩きたい気分だったので、私がそう提案した。
「バスじゃなくていいのか?結構距離あるぞ。」
「うん、歩くの好きだし!」
「…お前って変わってるよな。」
「え、そう?」
「女子って疲れるのを嫌うもんだと思ってた。」
そう言って影山くんは歩き始める。
私は、半歩遅れてそれについて行く。
「どうなんだろ、人によるんじゃないかな?」
「まあ、バスで行くよりは俺も歩いた方が運動になるから良い。今日は部活休みだしな。」
道中、会話はあるものの、肝心のあの話は結局到着するまで影山くんの口からは語られなかった。
まあ、行きに話すのもね。
イベント中に気まずくなるのは私も嫌だし、良いか。
運動公園に到着すると、たくさんの人で溢れかえっていた。
「え、なにこれ!こんなに人いるの?!」
正直、自治体のイベントだし…と思って見くびっていた。
それにバレーファンってこんなにいたのかということにも驚く。
サッカーなどは大きな大会がある度に周りは大騒ぎするけれど、バレーはそれほどにはならないし、クラスなどでも話題に上らない。
バレー部以外の人たちとバレーの話をほとんどしたことがなかった私は、純粋に驚いていた。
…あ、でもこれって…。
ごった返している人のほとんどが女性なことに気付き、私は考えを改めた。