第4章 変化
手と手が触れ合った。
…あ、やっぱり影山くんの手の感触って気持ちいい。
前に感じた心地よさは勘違いではなかったようだ。
「ほら見ろ、言わんこっちゃねえ。」
「ごめんなさい…」
私が体勢を戻したのを確認してから影山くんは手を離した。
何だか名残惜しいような気持ちを感じた自分に胸がドキドキしてくる。
「お前はもう一生ヒール禁止だ。分かったか!」
「ええ!一生?!影山くんスケール大きすぎだよー!」
影山くんの言葉にツッコミを返したところで気付く。
あれ、私、結構普通に影山くんと話せてるじゃん。
でも、油断はならなかった。
何故なら、今日のメインイベントは影山くんから例の話を聞くことだからだ。
その話の内容によっては、また状況が変化しかねない。
ぬか喜びはしたくなかった。