第1章 出会い
朝。
昨日、菅原先輩と辿った道を今度は一人で歩いて行く。
結局、私の家の最寄り駅まで送ってもらったため、たまたま駅まで買い物に出ていたお母さんに先輩と一緒のところを見られてしまった。
「 菜月、もう彼氏できたの?!」
と、はしゃぐお母さんの誤解をとくまで、かなりの時間を要した。
そして今日。
一応、正式入部を心に決めたからには朝練から参加すべきだろうと早めに家を出た。
でも、まだなれない通学路のため加減がわからず、早くに着きすぎてしまいそうだ。
時間まで何していようかなあ
そう考えながら昇降口で上履きに履き替えようとしていたら、体育館からボールの音が聞こえてくるのが分かった。
もう誰かいるんだ!
教室へ行こうとしていた足を、体育館へと向けることにした。
「おはようございます〜…」
「……!!」