第4章 変化
「…でさ、菜月はどっちが好きなわけ?」
「え?」
「え、じゃないよ!あんなあからさまな恋のバトル見せつけられたら気になるじゃん!!」
「いや、誤解だよ!別にそんな…」
否定しようとしたところで、ふいにあのキスを思い出す。
なんでこんな時にまで。
頬が熱くなる。
「なんで赤くなってるのかなー?もしかして、合宿中なんかあったの?!教えろー!」
「うう、なんでもないってばー!」
その時、昼休み終了を告げるチャイムが鳴り、友達の追求からは逃れることができた。
影山くんから返されたノートを持って、私は席につく。
どっちが好き、か…。
さっき友達にされた質問を自分の胸に問いかけてみたけれど、答えは返って来なかった。